世界中の人々、社会、そして医療関係者が新型コロナウイルス(COVID-19)との戦いを続けています。最前線で感染者や患者様の治療に最善を尽くしておられる医療従事者の皆さまのご尽力とたゆまぬ努力に、心より敬意を表し、感謝申し上げます。
インテュイティブでは、お客様と社員の健康と安全の確保、ならびにサポートを最優先に考えながら、地域社会におけるCOVID-19の感染拡大防止に取り組んでおります。
当社では当初、ウイルスの蔓延を阻止するために迅速に行動を起こすことに注力するとともに、社員、お客様、および地域社会へのサポートに努めてまいりました。その後は、当社を取り巻くステークホルダーのニーズに対応するべく、より踏み込んだプログラムや方針を定め、そのアプローチの指針となる枠組みを策定しました。
インテュイティブでは、お客様と社員の安全を守るための支援を行っていますが、同時に、経済活動の再開を見据え、将来必要となる措置も検討していく必要があると考えています。そこで当社は、米国American Enterprise Institute (アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所)による「米国における新型コロナウイルスへの対応(National Coronavirus Response)」を、当社の行動指針として採用しました。この4段階からなる指針には、初期のウイルス感染拡大の緩和から、新たなビジネスのあり方に移行するために必要な手順とロードマップが示されており、初期対応から回復期へ移行する際の優先事項を明確にし、取り組みを整理していくための強力な指針になると考えています。日本においても、当該行動指針を適用することで、今後国内で予想される様々な回復のフェーズに対応することができると考えております。
インテュイティブでは、お客様と緊密、定期的に連絡を取り合い、現在必要とされる外科的ニーズに対応するとともに、COVID-19対応で延期となっている手術が今後再開され、増加した時に備え、外科医や医療機関に対する支援の準備も進めています。
中国などではロボット支援下手術が再開する兆しが見られています。一方で米国や欧州諸国では、未だ不急の外科手術の大半が延期されているものの、医療機関および医療従事者によって、外科手術を含むCOVID-19関連以外の治療を再開する動きも出てきています。
医療機関の置かれている状況が日々変化する中、医療現場において新たな問題が発生した際には、当社は、お客様の声に耳を傾けることが重要と考えております。お客様と共同で問題に取り組むことで、ニーズに応えるための準備が可能となり、臨床的、経済的、およびビジネスの観点からのお客様の優先事項に対し、短期的および長期的に、迅速な対応や支援を提供できるようになると考えています。
今回のCOVID-19が医療機関や医療体制にもたらした経済的損失は甚大で、お客様においてダビンチサージカルシステムを十分に活用できない、あるいは全く使用できない状態にあることを勘案し、このたび当社では、お客様を経済的にご支援する一連のプログラムをご提案させていただきます。このご提案には、お客様の状況に応じて、保守料金、保証期間、およびその他の経済的支援に関するプログラムが含まれます。
インテュイティブは引き続き社員の健康と安全を優先し、可能な限り在宅勤務を行うとともに、在宅勤務中は、仕事と家族、または地域社会とのバランスを取りながら柔軟に取り組むよう推奨しています。また、この様な働き方を支援するために必要なツール、リソースを提供するよう努めています。
このような新しい働き方が定着していく中で、当社ではIT機器の購入補助など、社員の在宅勤務を支援する施策を検討・実施する予定です。今後も引き続き、政府・自治体の指示・要請に沿って、外出自粛やテレワークのニーズに柔軟に対応できるよう、社員へのサポートを続けてまいります。
世界中の多くの社員が在宅勤務を行っている中、製造、修理、物流に従事している社員は、現在もなお世界のインテュイティブの拠点で業務を続けています。こうした社員の健康と安全を守るために、当社では、作業スペースの拡充、勤務シフトの調整、個人用防護具(PPE)の提供、他者との不要な接近の制限、入館時のスクリーニングの義務付けなどの措置を講じています。
現状においては、社員に対する支援プログラムも会社の重要な施策と位置付け、育児や介護、居住エリアの状況等、個別のニーズに対応した各種休暇制度・賃金制度の拡充と見直しを、検討・実施しています。また、社員支援プログラムでは、社員の生活の質を担保するため、各種のサービスやリソースを用意しています。
当社では、COVID-19の状況や当社のビジネスの動向、また、必要な機材や社員支援プログラムの提供、ボランティア活動などについて、各国間で緊密かつ頻繁な情報共有を行っています。当社のビジネス運営の基本指針となる創業理念やカルチャーに沿って、開かれたコミュニケーションを継続していくことが極めて重要であると考えています。
インテュイティブの社員はこれまでも、COVID-19対応策に積極的に関与し、当社がかかわる地域社会を支援してきました。特に、当社の慈善事業を担うインテュイティブ財団(Intuitive Foundation)は、こうした活動の中心的役割を果たしています。コロナ禍が始まった当初は中国向けに個人用防護具(PPE)を寄付することに注力していましたが、最近は本社のある米国、カリフォルニア州サニーベールにおける様々なニーズに対応すべく、シリコンバレーのリーダーたちと共に活動しています。当社では現在、病院その他の医療機関に対してPPEを調達・開発・提供することに注力しています。これまでに、全米に向けて10万個超のPPEの寄付を行いました。今後も全世界に向けて100万個超のフェイスシールドを製造し、寄付することを目標としています。
インテュイティブ財団を通じて、当社の社員は世界の地域社会でボランティア活動に参加しています。PPEの製造支援のために、社員はサニーベールやコネチカットでフェイスシールドの製作を行ったり、財団から提供される材料と説明をもとに、自らDIYでフェイスマスクを製作しています。また、献血、フードバンクや病院でのボランティアなど、社員に様々な貢献の機会を案内しています。
インテュイティブ財団ではさらに、社員からの寄付に財団が社員の拠出上限を超える額をマッチングするスキームを整備し、社員が世界中のNPOに直接寄付を行うことができるようにしています。加えて、COVID-19助成制度を導入し、今回の感染病予防に向けた革新的なプログラムに対し、少額の助成金を提供します。
インテュイティブは、患者様、お客様、近隣住民、社員などすべての方々と一丸となり、共に歩んでまいります。この思いは、今の困難な時期だけではなく、これまでもこれからも、変わることはありません。